アズテック調査コラム
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国会図書館での調査

目次

1.はじめに
2.国会図書館での調査の目的
3.国会図書館とは
4.国会図書館での調査のコツ
5.まとめ

1. はじめに

 アズテックでは特許調査が依頼の多くを占めますが、専用のDBを使用した特許調査以外にも様々なアプローチ方法で各種調査を行っています。今回はそのアプローチ方法の1つである国会図書館を利用した調査について、私達が実際に行っている調査のコツを簡単にご紹介いたします。

2.  国会図書館での調査の目的

 国会図書館の資料は、特許公報には記載される事が稀な前提条件的技術・物性・情報や、特許として公開されるよりもノウハウとして蓄積されるべき製造方法、製造装置等を調査したい時に活用する事ができます。
 そして、発明の新規性に関する規定(特許法第29条第1項)では

第二十九条 産業上利用することができる発明をした者は、次に掲げる発明を除き、その発明について特許を受けることができる。
(省略)
三 特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明

特許法第29条第1項

とあり、この【頒布された刊行物】には雑誌や書籍も含まれていますので、図書館の資料を無効化資料や先行資料として活用する事ができます。
 また、資料の技術内容の程度から特定時代の世間一般の技術レベルを読み解き、特定技術の黎明期や成熟期等の判断に活用する事や、特定時代の特定技術に関する資料の量から特定時代の世間一般への特定技術の浸透度合いの判断に活用する事ができます。

3.  国会図書館とは

 国会図書館は、東京の永田町駅から徒歩10分程の場所に【本館】と【新館】、関西文化学術研究都市内に【関西館】、東京の上野に【国際子ども図書館】があり、納本制度に基づいて日本国内で出版された出版物を収集保存する法定納本図書館です。
 出版社が納本していない場合もありますので『日本に存在する全ての出版物が存在する』とは言えないのが残念ですが、日本最大の蔵書数を誇ります。また蔵書の貸出は行っておりませんが、図書館内での複写はできますので複写として蔵書の一部を手に入れる事が可能です。(原則として「著作物の一部分」しか複写する事はできません)
 本棚に本が並んでいて自分で探して読むという一般的な図書館と違い、国会図書館は館内に設置されている利用端末から資料を検索・利用申し込みを行うと、20分程で所定のカウンターに申し込んだ資料が準備され、閲覧が可能となるシステムです。なお、一度に請求できる図書は3点、雑誌は10点までとなっています。
 また、資料の検索を行う【NDL ONLINE】はインターネットが利用できる環境であれば何処からでも利用できます(国会図書館内の利用端末以外から書籍等の申込はできません)。

4.  国会図書館での調査のコツ

 一般的な図書館とは違い国会図書館の閲覧には時間がかかりますので、沢山の資料を調査する時にはちょっとしたコツが必要になってきます。以下に効率良く調査を行う為のコツをいくつか挙げていきます。

  • 国会図書館に行く前に【NDL ONLINE】を使用して今回の調査で閲覧したい資料の一覧を作成します。そうする事によって実際に調査するべき資料が、どの場所にどの程度あるのかを把握し、必要な時間や人員を予め計算し、無駄の無い調査を行う事が出来ます。
  • 目的の資料が目的の施設に所蔵しているかどうか、そして閲覧可能かどうかを事前に確かめ、図書館に行った後で、閲覧が出来ないという事態は避けます。
  • 複数人で手分けして調査を行います。貸出申請してから本を閲覧するまでに時間がかかるので1人が借りる事が出来る最大数の3点(雑誌なら10点)を複数人で読み、その間に他の人が貸出申請を行うとタイムロスを抑える事ができます。また、どうしても1人で行かなければならない場合は、3点を借りた後、閲覧が終了した本はすぐに返却し、新しい本の貸出申請を行います。そして新しい本が貸し出されるまでに、最初に借りた残りの本を閲覧する事で、タイムロスを抑える事ができます。
  • また、調査を行うにあたって、国会図書館以外の図書館も選択肢に入れるという事も重要です。これは、特化した分野の資料・カタログ等や日本国外で出版された出版物に関しては、国会図書館よりも大学図書館や専門図書館の方が秀でている場合があるからです。
【資料閲覧以外の国会図書館の活用法】
 余談ではありますが、国会図書館の活用法として、「納本制度」を利用した公知化の方法をご紹介します。
 まず、貴方が何らかの技術を発明し、特許として世間に公開するよりもノウハウとして誰にも知られたくないと考えたとします。しかし、ここで問題となるのは技術を特許として出願しない間に他の誰かに同じ様な技術を特許として登録されてしまう事です。
 そこで、発明した技術を「検索し難い題名、一見して分かり難い言語の刊行物」の形で国会図書館に納本する事で「刊行物として公開されているが世間一般には知れ渡りにくい形」とする事ができます。 (100%誰にも閲覧されないわけではありませんので注意は必要です)

5. まとめ

 本稿では国会図書館での調査について紹介しました。調査を行うにあたり様々なアプローチ方法や手段を学ぶ事によって、クライアントのニーズを的確に把握し、最適な調査をご提案する力になると思います。固定観念にとらわれず、柔軟な対応力を身に付け、調査の引き出しを増やしていきたいと思います。

調査事業部 秋葉

参考URL:
国立国会図書館 https://www.ndl.go.jp/
NDL ONLINE(国立国会図書館オンライン) https://ndlonline.ndl.go.jp/